【広島3―1阪神】メモリアル男がまたやった。分厚い雨雲に覆われた新潟の空に、広島・栗原が高く美しい放物線を描いた。杉山のフォークを完ぺきにとらえた初回の11号2ランは新球場・ハードオフ新潟の記念すべき第1号アーチとなった。

 「また1号?ワッハッハ…たまたまでしよう!何か持っているのかな」

 豪快に笑い飛ばしたが、確かに“何か”を持っている。今季は4月7日にリニューアルされた新甲子園第1号を放った。同16日にマツダスタジアムのチーム初本塁打、さらに6月17日は三次で新球場こけら落とし弾をぶち込んだ。それだけじゃない。昨年9月28日には旧広島市民球場のラスト本塁打を記録するなど、立て続けに歴史に名を刻んでいる。

 “こけら落とし男”も打撃は本調子でない。本塁打まで16打席連続無安打中だった。練習日の6日にはフリー打撃後、ケージ裏でブラウン監督と30分にわたって会談。その後は小林投手コーチに投手目線からのアドバイスを求めるほど悩みは深かった。この日も本塁打以降は3打席凡退。それでも栗原は「感じは悪くないし、たまたま結果が出ていなかっただけ。気にしてもしようがないし、自分の打撃を心掛けるだけ」と前を向いた。

 阪神に連勝したチームは新潟県内で82年から28年越しの10連勝。復調気配の主砲のバットがチームを押し上げる。

 ≪ルイス95球完投≫広島のルイスが圧巻の投球。初回に2安打で1点を先制されたが、直球とスライダーの切れが増した3回以降は1人の走者も出さず完ぺきに抑えた。わずか95球で昨年9月27日以来の完投で約1カ月ぶりの5勝目にも「100球以内で完投というのは目指すところだから」と涼しい顔。チームにとって4月28日の大竹以来の完投勝利に「リリーフ陣に助けられてきたので、休養を与えられて良かった」と気持ちよさそうに汗をぬぐった。